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1999.12

交通エンジニア:時間泥棒

アメリカの郊外の通りは、滑稽なほど広く、隣人たちの存在すら忘れてしまいそうである。通りを横断するという旅は、冬には数層におよぶ防寒着、夏にはバックパックと水筒を必要とするような無謀な企てであるというだけでなく、多くの子どもたちが深刻な危険にさらされることにもなる。郊外の道路では、子どもたちは通常の道路にくらべて約50%も長い時間道路上にその身をさらしている。無秩序に広がる郊外住宅地は必要以上の土地を有し、迅速な道路の横断を困難にしている。

なぜこんな馬鹿げた状況になってしまったのだろうか?それは1940年代に交通エンジニア委員会によって、最大限の安全のために道路は2台の消防車が時速50マイルですれ違うことができる幅がなければならない、と定められたからである。なんてことだ、人の家の前で消防車のドラッグレースをやろうっていうのか?

同じように馬鹿げたこと:

  1. 周りを囲われたショッピングモールの駐車場。そのために出口まで5マイルも余計に運転しなければならず、大気汚染に一役買ってしまう。
  2. 抜け道に立っている標識。そのために、Uターンできるところまで10から15マイルも余計に走らなければならない。これもまた、道々景色を楽しみながらそれらを汚染するのに役立っている。
  3. 八車線のひとつひとつに個別の左折信号を備えたインターセクション。Silicon Valley では普通、ちゃんと最後まで順番がまわるのは6時間30分に一度ぐらいのものである。幸運にも信号を見逃せば、あなたは3時に出社することができる。
  4. 二重線(追い越し禁止)の引いてある田舎道。もし前の車がノロノロと走っていても、あなたは Cleveland のはずれまでそのままでいなければならない。これには更にいいことがある。いくらガラガラに空いた道路であっても、中央に二重線が引かれていたら車はその上を跨いではいけない。もうちょっとで突然道路の脇から現れた鹿をよけることができそうだったとしてもだ。そして足の下にドスンという鈍い感触を受けることになる。
  5. いくつかの進んだ州以外では、赤信号時の左折を許していない。たとえ他の車が800マイル以内に1台もいなくても。
  6. 家のまわりの道をグランプリの開催にも耐えられそうなほどにした後は、あちこちを醜い柵や塀で囲んで道路工事がはじまる。路面はでこぼこに傾いて、実際問題ドライブや消防車どころではない。これが原因でいくつかの幹線道路にトラフィックが集中し、朝の4時にバンパーとバンパーがぶつかりそうになるのを楽しむことができるのだ。

これらはそもそも人の命を救うために行われたことだ。だがその実際の数についてを考えてみよう。

1992年には、39,985人がアメリカ国内の道路上で命を落としている。議論のために言えば、交通エンジニアによって我々の行く手に引き起こされる生涯や遅滞は、上記人数の50%にあたる約20,000人の命を救っているのだという。(私はこの数字が大きすぎると疑っている。交通エンジニアたちにこの疑念をぶつけてみよう。)

あなたがこの残りの20,000人に入る可能性は極めて低い:これら追加分の死亡者数は、100,000人の人口につき7.8人である。しかしこの数値を考えるには、被害者が失うことになる残りの人生の時間を考慮しなければならない。交通事故の被害者は、平均寿命よりも約31年早く死亡している。31年は、275,064時間に相当する。これだけの時間が交通エンジニアたちの懸命な努力によって20,000人のすべての人に加算されることになる。

最後のステップとして、交通エンジニアたちが我々に何をしているのか考えてみよう:275,064時間を、あなたが最初に犠牲者となる可能性(7.8654E-5)にかけて、交通エンジニアたちが1年間にあなたからあなたを守る平均時間を算出すると、21時間38分6秒となる。

この1年間における数値を、彼らのせいであなたが道を妨げられたり飽き飽きするような信号にうんざりすることに費やす時間をくらべてみよう。控えめに計算しても私は1日に15分間、1年にすると91時間15分を無駄にしている。

交通エンジニアたちの見当違いな努力によってあなたが「救われている」時間を、彼らのせいであなたが待って待って待ち続けなければいけない時間から引くと、私の場合、結果は約60分の損失となる。これは1年にすると2日半、長い一生で考えれば6ヶ月になる。私の人生が6ヶ月も奪われているのだ!

初期の自分勝手なエンジニアたちの一人が、1840年代に San Francisco のメインストリートを設計した。この愚か者は、(現在でも)始点も終点もないメインストリートを造りあげ、12頭の騎馬隊がターンできるだけの道幅を確保した(1800年代における仲良し消防車ともいえる愚行である)。この馬鹿げた設計によって見事にそして永久に街が半分に分断されてしまったことに San Francisco のまともな人々が気づくと、彼らは自警団を結成しこの男をリンチにかけた。すると残念なことに男は漕ぎ舟で California 州の Sausalito に逃げてしまった。

私は私の6ヶ月を返して欲しい!交通エンジニアたちは統制への欲望と職を維持する必要からこんなことをするのだろうか?安全は三番目であり、市民の権利と自由はリストにも入らないのだろうか?そうであれば、私は自警団を結成する用意がある。あなたも仲間に入るかい?


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