| Infoperience Home | Site map Contact us |
| AskTog |
|
2001.02 |
Apple は新しい OS X で、ユーザ中心のデザインを自己中心のデザインに置き換えてしまった。彼らの幼稚なお節介に反抗を続けた結果、彼らは若干の変更を施したようだ。だが彼らの“ホットなデモ”の主役である Dock は健在のままだ。

Dock は Windows のタスクバーの下手な物真似だが、“よりクールに”見せるために、ユーザビリティを犠牲にしている。ここに Dock に関する最も明らかな10の欠点を挙げてみよう。そしてその改善案も付け加えてみる。
Dock は最低でも70ピクセルも無駄にする。これは Windows のタスクバーや Macintosh のメニューバーの4倍以上の天地幅である。特に 16:9 というラップトップの画面においては非常に深刻な問題である。対策としては、Dock をフローティングウインドウにして常に最前面に表示させるようにする。またそれを非表示にできるようにする。
Dock 内の項目は、上の画像でも分かるように、名称の表示がない。デモの中では全ての項目が違う見た目なのでうまく機能していたが、例えば6から7つのフォルダを並べて配置しただけでユーザはもう混乱するだろう。確かにユーザは Dock 上を“なぞって”一度にひとつの名称を表示させることはできる。しかしそれは時間の無駄だし書類をドラッグしている時には特に問題になるだろう。
アイコンの代わりに写真画像を用いるのは良くないアイデアだ。素敵なデモでは、Apple ホームページの500ポイントのタイトル文字が Dock の中にうまく縮小されて表示されていた。しかし現実の書類ではそううまくいかないはずだ。Macintosh には各書類をもっと差別化する方法が必要だが、我々が求めているのはページの写真ではなく、データタイプ、ファイル容量(アイコンの厚みなどで表現)、古さなどの情報である。内容が図形表現として大きなものであるときに限り、サムネールを表示するべきである。
Dock の中では項目を追加するたびに全てのものがあちこちに動き回るため、各項目は画面上で一定の位置に固定されない。オリジナルの Macintosh では位置についての記憶が操作における非常に強い手がかりとなっていた。そのため、アップル、ファイル、編集メニューは常に一番端に同じ順序で並んでいるのである。今度からは“見た目の派手さ”が優先される。
この決定はとても間違っており、ネット上ではいくつものハックプログラムがすでに出回っている。Apple の対策としては、Dock を画面の右端に固定できるようにしたことだが、それによって確かにゴミ箱の位置だけは固定することができるようになった。これはなかなか良い案かもしれないがモニタをもう一つ右側に並べた場合、Dock はメインの作業場所から遙か遠いところに行ってしまう。
Dock についての猛烈な批判に対する Apple の解答は、ユーザが Dock を非表示にできるようにすることだった。これを使えば、全てのアプリケーションの全面に Dock が表示されなくてすむ。画面の一番下にマウスを持っていくと Dock がスライドして出てくる。この Windows の真似事は、残念ながら、Windows のタスクバーと同じ欠点を持っている:マウスをそこに持っていって Dock を表示させるまで目的の物が Dock 内のどこにあるのかを予測できないのだ。Windows より更に悪いことに、苦労はまだ続く。Dock を表示させたら次にあちこちと左右にそれをなぞって各項目の名称を表示させなければならない。間違って遠くまで行きすぎて、Dock が再び画面下へと消えてしまうことがないように祈る。
画面の角や端は、Fitts の法則によれば、最も簡単に手の届く場所なのである。Dock が利用しているのは画面下の部分だけで、他は無駄になっている。
オリジナルの Macintosh に存在するバグが丁寧に再現されている。Dock の中では、ユーザは透過エリアをクリックすることができない。ユーザは目的の項目の真ん中をクリックしなければならず、それから何が起こるかを待つことになる。しばらく待ってみて何も起こらなければ、それは背景が透過している部分をクリックしたためである。
余計に混乱するのは、透過エリアにマウスを重ねた時にも名称表示は行われるということである。ユーザが受け取るフィードバックに一貫性がないのだ。
ポップアップウインドウとアプリケーションメニューの機能は Dock に無理矢理吸収された。ポップアップウインドウは Finder 上でフォルダのウインドウを画面の下部にドラッグすることによって複数階層に渡る項目を収納できるというものだ。ポップアップウインドウには問題もあって、私の Mac がクラッシュすると、数週間に一度ぐらい、すべてのアイテムが消えてしまって、個別に元の状態に戻してやらなければならない。
インタラクティブデザイナーが Dock のようなものを作れば、現在のポップアップウインドウを大幅に強化させた機能性を持たせることができたかもしれない。だが実際は Dock 内で名称表示も無しに並ぶフォルダの列に Finder ウインドウをドロップしても、それを閉じてもくれない。
OS 9 においてアプリケーションメニューは画面の右上端に固定されており、ユーザは現在起動中のアプリケーションに簡単にアクセスすることができる。これには問題もあって、例えば、画面の本当の一番角をクリックしても機能してくれないため、高速なアクセスが阻害されている。それでもこれは良くできているし、場所もとらない。
Dock はアプリケーションメニューの項目とその他の項目をごちゃまぜにしてひとつの固まりにしてしまった。(一応アプリケーションは片方に寄せられているが、それでうまくいっているとは言えない。依然としてごちゃまぜの固まりだ。)
Dock は全く新しい挙動を付け加えた:オブジェクトを消滅させることである。Dock 内のオブジェクトを Dock の外にドラッグすると、それは煙となって消える。これはオリジナル Macintosh の爆弾アイコン以来の最も恐ろしいアイデアだ。もしあなたが初めて Macintosh を触り、8時間もかけて作成した書類が、単にそれを Dock からデスクトップに移動しようとしただけで煙となって消えてしまったらどんな気持ちになるだろうか? 非常に紛らわいだろう。このコンセプトはユーザが学習する上で必要のないコンセプトだし、特にあんな恐ろしい表現をしてはいけない。“ホットなデモ”には良いかもしれないが。
開発中であるプロジェクトの試作品を見せてデザインを混乱させるのは素人が陥りがちな間違いだ。だがデモは営業上の理由からその出荷を明らかにするために行われる。
普通、そのプロジェクトに関わる者はその違いを理解しているが、Apple は空想的なアイデアから真実を生み出す能力を失ってしまったように見える。我々は円形マウスを見たときその現象に気が付いた。その“クール”なデザインは全く実用に耐えられなかった。そして大勢の人々がそれに反抗し続け、ついに市場から追放するまでに2年かかった。だがその反抗も今回の Dock に対するものに比べれば大したことではなかった。そして彼らはまだそれを続けている。
良い知らせは、OS X は完全に“ハック可能”なことである。Apple の混乱をうまく解決してくれるようなすばらしいデザインと技術が登場するのを期待したい。
もっと読んで考えたければ、Frode Hegland の Death of An Icon をチェックするといい。
| AskTog |
|
2001.02 |
| Infoperience Home | Site map Contact us |