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2001.07 |
Good Grips のキッチン用品は、ある男が関節炎の妻のために便利なジャガイモ剥き器を作ろうとしたことから生まれた。この話は十年に渡ってマーケティングに利用され、その結果 Good Grips は巨大な市場シェアを獲得することに成功した。ソフトウェアのデザイナーは、ここから二つのことを学習することができる:障碍者向けの優れたデザインは健常者にとっても有益であるということ。そして、「ブランド」の前にまず有効なプロダクト・デザインがあるべきだということである。
考えてみてほしい。障碍者のためのデザインといっても、健常者にとってのユーザビリティを犠牲にする必要はない。実際、正しい仕事をしていれば、あなたのデザインはすべての人に役立つだろう。
障碍者については非常に多くの間違った社会通念がある。まず、永久なる健常者というものは存在しないということ。我々の身体機能は視力をはじめ、40才ぐらいから徐々に低下していく。長生きをすればするほど、身体の各器官は老化していくのだ。
また我々は一時的な障碍もよく経験する。スキーをしていて足を骨折するといった話だけではない。タクシーを降りてから重たいスーツケースを転がして街を歩き回っている状況はどうだろう? あの車輪の丸い形状が何か素敵なものに感じられてこないだろうか? ホテルに着いたあなたは、あの入り口のちょっとした傾斜路が急にありがたいものに見えてこないだろうか?
ソフトウェアにおいても同じことだ。目の不自由な人でも使えるアプリケーションを作るということは、それはすべての人にとって強力なキーボード・インターフェイスを提供するということと同義である。特にあの小さくて可愛らしいポータブル機器における劣悪なポインティング・デバイスと格闘している時にはなおさらだ。(ラップトップやパームトップほど我々に一時的な障碍をもたらすものはないだろう。)
障碍者のためのデザインは難しい。Apple は初期の Macintosh において、スクリーンの一部を非常に大きく拡大して表示するという視覚障碍者のための特別なモードを提供していた。これはすべてのユーザにとっても便利なものであるはずだったが、拡大されたウインドウを簡単に出したり隠したりする機能が実装されていなかった。そのためスクリーンの半分は常に隠れている状態になってしまった。視覚障碍者にとっては納得できる範囲だったかもしれないが、その他の人々にとっては代償が大きすぎた。
障碍者のためのデザインをするのであれば、Good Grips がしたようにすること:
何でもそうだが、ブランディングにも節度が大切だ。だが現在はそれが失われている。例えばウェブサイト。人々にその名称を覚えさせようと必死になるあまり、サイトはひどく荒れ果ててしまった。確かに人々はサイトの名前を覚える。だがそれは、二度とそこに行かないためにである。
最も優れたブランドは、卓越した製品の品質から始まる。Good Grips の最初もそうだった。Amazon の最初もそう。これこそが、120 年もの間 Procter & Gamble が隠してきた秘密なのである。
Good Grips はまず最高の製品を持ち、それからブランディングに注力し始めたが、それほど努力する必要はなかった:視覚的に優れた彼らの製品は、そのデザイン自体が売りだったからだ。(Read more.)
その後、ウェブ制作をする会社はブランディング戦略を掲げるようになった。リソースの 90% をその戦略開発に費やし、使いやすい製品を実際に開発することをおろそかにした。結果は? Flash の氾濫と中身のない入れ物だ。
経営コンサルタントたちには偏った傾向がある。彼らはもっともらしい専門用語を見つけると、それを使って後の数年間うまくやっていこうとする。ちょっと前には「安全配慮(due deligence)」が叫ばれていた。
以前務めていた WebMD で私は、コンスーマ向けウェブサイトを台無しにしてしまった多くの経営コンサルタントたちに会った。ログを解析してみると、主要な文章を誰も読んでいないことが分かった。なぜだろうか? ユーザはそれを見つけられなかったからだ。たとえ明示的にその文章の場所が示されていても、グラフィックの派手すぎるブランディングに埋もれて見えなくなっていたのだ。これらを改善するのには一年以上の時間が必要であった。
かつてマーケティングの人々はインタラクション・デザイナーたちの良き友人だった。彼らはインタラクションを通じたユーザとの自然なコミュニケーションを重要視し、ニーズを理解しようとしていた。しかしブランディングというものが流行してからは、すべてが坂道を転がり落ち始めたのだ。
もしあなたが「ブランディング」という言葉を週に一度以上使っているなら:
Good Grips であっても、彼らの製品が与えてくれた教訓を自社のウェブサイトに反映することには失敗したようだ。これは過剰ブランディングの弊害と言えるだろう。
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